Warmachine・HordesといったPPゲームの魅力は、そのダイナミックなストーリー展開! 新しいサプリが出るごとに語られる物語では、各キャラクターに様々な事件が起き、大きな戦いに勝敗がつき、戦線は次々と動いていきます。 激しい戦いの中でキャラクター達は変化を迎え、実際にゲームでも「エピック」キャラクターとして新たな性能を得る――などなど、PPゲームにおけるストーリー展開はミニチュアゲーム界でも斬新なものとなっています。
これまでも、ソーンウッドの森の遺跡における四軍大決戦(Apotheosis)やシグナーとメノスの大攻城戦&教皇ヴォイルがコールマンに討ち取られる(Legend)など、見所はたくさんありました。
ただ問題なのは―― やはり英文の小説を読むのは、自分の英語力では大変で、全部を把握しきらないこと。 データと違って気軽に読めないので、皆さんと物語を共有していくのも困難です。 でも、各勢力と各キャラの物語を知れば、もっとゲームを楽しめるはず……
そこで! Hordes最新サプリメント・『Metamorphosis』では、掲載のストーリーを全部読破に挑戦。そしてあらすじをまとめてみようと思います!
誤読誤訳誤解もあるかも知れませんが、もしお気づきになった際にはコメントなどでご指摘いただけると幸い! あとは「大体こんな感じ」という風に、物語を大きくつかむお役に立てればと思います。
【前段】 1つ前のサプリ『Evolution』では、傷ついたドラゴン・パイロマルフィックPyromaleficが眠る遺跡・鍵の城(Castle of the Keys)での大決戦がテーマでした。 4つのファクションが入り乱れる戦いの末、ドラゴンは討ち取られ、そのアサンク(ドラゴンの生命力が宿る心臓石)は、エヴァーブライトの大将・サグロシュに飲み込まれます。そして……
【Metamorphosis序章】 ドラゴンを倒すために多大な犠牲を出し、Castle of the Keysから必死の退却を続けるリージョン・オブ・エヴァーブライト。 エヴァーブライトとパイロマルフィック、二つのアサンクを同時に体内に吸収したサグロシュは、二つのドラゴンの意思が自分の中で争う苦痛で、戦うどころではない状態。 ヴェイルVaylとサエリンSaelynは、サグロシュからBlightedな魔力を吸い取って、周囲に適当にぶつけることで、サグロシュの命を助けられそうなことを発見するが…サグロシュの全身は変異し、死と再生を繰り返している。
エヴァーブライトの命令は「イオスIosへ行け」のみ。 サークル・ウロボロスに追われながら、リージョンは山脈の地底に逃げ込み、地下からイオスを目指すことに。 サークルを食い止めるべく、しんがりを任されるのは、リリスLylythとライアスRhyas。 別れを惜しむ双子…サエリンとライアス。 (というか、ライアスが「別れたくないよー」という感じ?)
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リージョンを追うは、石のドルイド・バルダーBaldur。 エレメンタルコンストラクトを中心とした軍勢を網の目のように拡げ、敵を捕らえようとしているが…
一方、バルダーの後を進軍するカヤKayaとモルヴァーナMorvahna。 カヤは友情熱い少女っぽく、「バルダーを助けるためにサーンの援軍を送って! ウルフライダーとブラッドウィーバーなら間に合う!」みたいなことを言いますが、モルヴァーナは「遅かれ早かれ、私たちが追いつく時には追いつくわ」と冷静な(冷たい?)指揮官風。 「リージョンとの遭遇戦が西で始まった」という使者の連絡を受け、結局モルヴァーナはカヤを援軍として走らせる。 しかしその行き先は、バルダーが決戦場として選んだ 柳の輪Ring of Willowsとは違う場所で…?
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バルダーを待ち伏せするリリス。(すでにデータはエピックリリスっぽい) ストライダーがリーヴスオブウロボロス(サークルの弩兵)を次々と射殺す中、リリスはバルダーに肉迫、矢の雨を降らせる。 迫り来るエレメンタルコンストラクトをかわしつつ、バルダーに矢を撃ち込むリリス。 魔法の光がバルダーに突き刺さる。矢が1本、さらに1本。 ダメージをトランスファーするたびに、近くのコンストラクトが砕け散っていく。 自分を両断せんとする石の大剣を寸前でかわし、空中で逆さになったまま、さらに矢を撃つリリス。 さらに何本もの矢を撃ち込まれ、ついにバルダーは血を吐き剣を落とす。 多くのエレメンタルコンストラクトが活動を鈍らせるのを見て、リリスは役目を果たしたと退却。 ただ一体のヴォルドワーデン(メガリス)だけが、バルダーを守って立ち尽くす。
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瀕死のバルダーを発見するカヤとモルヴァーナ。 カヤは涙を流し、モルヴァーナを責める。 (こういう人間的なリアクションをするキャラは珍しいですね) 「バルダーはまだ生きてる! 感じないの? 彼を治療して!」 と叫ぶカヤだが、モルヴァーナは「ごめんねカヤ、手遅れよ。私にできることはない。…自分を責めないで」と言うが…(ひどい) カヤは「自分を責めてるんじゃない、あなたを責めてるの! あなたにとって私たちは使い捨てだって、これではっきりしたわ!」とブチキレ。 それに対してモルヴァーナも怒り、一触即発の状態に。
結局カヤはモルヴァーナの進軍命令を拒否。 メガリスと共にバルダーの所に残り、バルダーの生命をなんとかつなぎ止めようとする。 カヤ「エヴァーブライトをこれ以上追っても、死人が増えるだけよ…」 ヴォルドワーデン・ウォッチ・ウィアードらは輪を作り、カヤ・バルダー・メガリスを見守っている…
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一方Skorne軍。 アークドミナ・マケダの部屋に入る、ロードタイラント・ヘクセリス。部屋の中にはモルグールも。 前回の戦いでの命令違反について、ヘクセリスを問いただすマケダ。 Castle of the Keysで謎の碑文を発見したヘクセリスは、それを守るために勝手にザーシスXersisの軍を使ってしまったのだ。 「余裕があるならば、お前をモルグールの手によって拷問にかけさせてもいいが… 今はお前の力が必要だ。罪を晴らす機会をやろう」とマケダ。 「そのような望外のお慈悲をいただけるとは――」 「おだまり!」 Skorne怖い。ついでに会話に修辞が多くて、読むのが大変です。礼儀や身分差が大事なんですね。
マケダは東に進軍して、ヴィンター4世を放逐せねばならない。
ここで基本的な設定の説明を。 ヴィンター=ラエルスローン4世は、現在のシグナー王・レト=ラエルスローンの兄で、かつての王。 暴君かつ超人的戦士だが、ネモや若き日のコールマンも関与した政変で失脚。試作品の飛行船で東方へ逃げ、Skorne帝国を一人で(!)征服する。Skorneはヴィンターに騙され、彼を重要な転生者Rebornと信じ、西方のアイアンキングダム諸国に征服戦争をしかけているのだ。 マグナス、サクソン=オリック、オリン=ミッドウィンターといった傭兵たちは、いずれもかつてのヴィンター配下で、現在も彼の意思に従っている。 だが『Evolution』ラストで、モルグールはマグナスを凄まじい拷問にかけ、ヴィンターの真意を知ってしまった。 ヴィンターが転生者ではなく、Skorneという種族を使い捨てようとしていることを知ったマケダは、種族のため帝国のため、ヴィンターの支配を転覆する決意をしたのだ…
マケダ東征の間、西方の要塞の防備を任されるヘクセリス。 手駒が足りないヘクセリスは、マケダに対し「虚無の賢者モーディカールMordikaarに会うお許しを」と要求する。 *モーディカールは新ウォーロック、ランタンを3つ下げたエキセントリックな姿で評判のキャラです。
モーディカールは死の世界から甦った、謎の賢者。 Skorneの死生観を覆す可能性を秘めた異常な存在であり、それゆえにザールZaalとも仲が悪い。死の魔術を操るヘクセリスと、モーディカールの研究、そしてCastle of the Keysで発見された秘密を合わせると、何かとんでもないことが起きるかもしれない……
しかしマケダは、敢えてモーディカール参戦の許可を出す。
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モーディカールの研究室を訪れるヘクセリス。 面白い動きで儀式をしているモーディカール。 ランタンの明かりが冥界を映し出し、数々の亡霊(ヴォイドスピリット)が現れては、ランタンの光に押さえ込まれていく…… モーディカールは西方到着以降、ザールの圧力もあって、ヒキコモリで研究をしていたらしい。可哀相だ。 「ザールのことはもう気にしなくていい。事態は変わったのだ」 というヘクセリス。 「オウ?」と嬉しそうなモーディカール。(「Oh?」と返事をするのが口癖っぽい)
冥界の門を開き、ヴォイドスピリットを軍事転用する可能性について熱く語るヘクセリス。 それはあくまで研究の途上であり、最終的にはサクラルストーンSacral Stone 無しでの死後の生を達成したい、と語るモーディカール。 ヘクセリス「もちろんもちろん、私もそう思っているのだ、友よ。さあ来たまえ、貴殿に必要な新たな研究室について語ろうではないか。建築用の奴隷は用意してある、すぐに動かせるぞ…」
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一方トロールブラッド。 ソーンウッドの森のカドーア領を進軍してしまい、アイアンファング・パイクメンの大軍に攻撃されているマドラク=アイアンハイドとボルカ=ケグスレイヤー。 北に旅していたマドラクは、ソーンウッドの森をカドーアが手に入れたことを知らなかったらしい。 ボルカはいつでも超楽しそう。 「ああ! こいつぁ素晴らしいぞマドラク! 思っていた以上だ! どこに行っても、殺す価値のある敵がいる!」
エピック化しているマドラクは、その特殊ルールのせいで、近くで戦っている戦友が次々と死んでしまう。 (マドラクがダメージを受けた場合、1インチ以内の友軍ウォリアーを取り除く) ナルターが脚を滑らせて、頭からパイクに串刺しになってしまったり、ハーコンがマドラクを押しのけて身代わりにパイクで刺されたり…… ションボリするマドラク。 これも世界を終わらせるという呪いの斧、ラスロクRathrokの力だ。 池に捨てても戻って来ちゃうし、そのうちこの斧ぶっこわそうかな…とか思うマドラク。
苦戦する最中、新たな女性トロルキンウォーロック・カランドラが援軍に登場。 一同はなんとか退却に成功する。 カランドラは「おかえりなさい。ずいぶん離れてたみたいだし、アンタにゃ色々と話してあげなきゃいけないようね」とマドラクを迎える……
プロローグだけでも意外といっぱいでした! 続きは後のファクションごとに別の更新で書ければ~と思います。
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